体質性黄疸は、先天的なビリルビン代謝異常により黄疸が生じる疾患群を指す。代表的な疾患として以下の4つが挙げられる。
・Dubin-Johnson症候群
・Rotor症候群
・Gilbert症候群
・Crigler-Najjar症候群
直接ビリルビン優位
Dubin-Johnson症候群
肝細胞でのビリルビン排泄障害により、直接型ビリルビンが上昇する。肝細胞が黒色化する病理所見が特徴的。
Rotor症候群
Dubin-Johnson症候群に類似するが、肝細胞の黒色化は認められない。
間接ビリルビン優位
Gilbert症候群
ビリルビンを抱合する酵素(UGT1A1)の活性低下により間接型ビリルビンが軽度上昇する。無症状またはストレスや断食で黄疸が増悪する。
Crigler-Najjar症候群
UGT1A1の活性低下または欠損により、重度の間接型高ビリルビン血症を呈する。タイプI(酵素完全欠損)は致命的であり、タイプII(部分欠損)は治療可能。